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5. 冷房病との付き合い方
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5. 冷房病との付き合い方



快適なはずのクーラーに大きな落とし穴が
いわゆる「冷房病」というものが日本に初めて登場したには、昭和35年ごろといわれています。その後、日本経済は急激に成長して、クーラーの普及率もどんどん上がってきました。そして現在、クーラーの普及率は都市部で90パーセントを超えています。

ところが、この快適なはずのクーラーには、大きな落とし穴がありました。クーラーが原因で起こる冷房病で悩む方が急増しているのです。当研究所にご相談に訪れる患者さんも、夏の時期に急増しています。

東北地方に在住のAさん(48歳・男性)の場合
神奈川県に在住のBさん(34歳・女性)の場合

冷房病は年々ひどくなり夏でも暖房が必要になることも


冷房病で会社を辞めてしまうなんて、ずいぶんたいへんなことだなと思われるかもしれませんが、実は、このようなケースでご相談に来られる患者さんはとても多いのです。

これらの方に共通していえるのは、一度このような経験をすると、このことがきっかけとなって何年も同様の症状で悩んでしまうということ。しかも、症状が年々ひどくなるケースがとても多いということです。

初めは手先、足先だけだった冷え症が膝から下、腰から下、腕やうなじ、背中へと冷えを感じる部位が増えていきます。そして、夏でも、暖房が必要といった状態にまで悪化し、このころになると全身にさまざまな症状が起きてきます。そのなかでも多いものは、肩こり、腰痛、胃腸障害、便秘、下痢、生理痛、生理困難、生理不順、頭痛、不眠、イライラなどです。
冷え症の妻と暑がりの夫、夫婦の深刻な問題
当研究所では Eメールでの冷え症のご相談も受けつけていて、多いときで1日30件近くのご相談があります。
ある日、都内在住のCさん(38歳・男性)からつぎのようなEメールの相談が来ました。
「34歳の妻が重度の冷え症で悩んでいるが、自分はとても暑がりで家でクーラーが使えずどうしたらよいか」
内容はとても深刻で、家のなかが暑すぎて夜間は眠れず、アパートなので寝室も別にできない。休日は1日じゅう汗だくで、そのままクーラーの中に入ると身体が一気に冷えてしまい、夏だというのに何度か風邪をひいてしまったとのことです。
とうとうクーラーが原因で何度となく喧嘩をするようになってしまい、何かいい対策法はないものかと、困っているのでした。
この例はAさんBさんの場合とはまったく逆の例で、冷房病の人がまわりの人に与えてしまう弊害です。
つらい冷房病は、いったいどうして起きているの?
人間の体温は常に一定に保たれています。
たとえ激しい運動をして体内に熱が発生しても、汗をかくことによって、体温を下げることができるのです。汗による気化熱を利用して、体内に溜まる熱を体外に放出するからです。これは、気温が高い日に玄関先などに水をまくことによって涼しさを感じることと原理はおなじです。
ところが、1日じゅう冷房のなかにいると、あまり汗は出ません。皮膚はベタベタせず、どちらかというとサラサラしています。このように、汗をかかない状態のまま、身体の熱が体表から奪われてしまいます。
この状態では皮下にある毛細血管(約7ミクロンの血管。1ミクロンは1000分の1ミリメートルで、髪の毛は細いもので直径100ミクロン、毛細血管はその10分の1以下の細さで全身に張り巡らされている。この全身の毛細血管や血管をつなぎ合わせると前長約9万キロメートルにもなる。それは、なんと地球を 2周もできる長さ。そこに約5リットルの血液が流れていて、心臓から出た血液は約1分間で体内を1周する)は、身体の熱が奪われないように守るため、血流量を減少させてしまいます。
同時に汗腺も収縮して、汗が出ないようにします。これも、身体の熱が奪われることを防ぐためです。
このふたつの作業を行なっているのは、血管のまわりなど、身体のあちこちに存在している自立神経です。
自律神経というのは、自分では意識することのできない神経で、睡眠、血圧、体温などの調整や内臓の働き、免疫などといった働きをつかさどっています。
このように身体に異常事態が起こっている状態で温度の高い外に出ていったりすると、今度は急激に血管を拡張させ汗腺も開いた状態になって、汗を出そうとします。こうした急激な温度変化もまた、身体にとっては異常事態となるわけです。
この急激な温度の変化が1日のうち何度となくつづくと、全身に張り巡らされている自律神経は悲鳴をあげはじめます。
そして、自律神経によって行なわれている身体のさまざまな繊細な調節がうまく行なわれなくなるのです。
こうなると汗はあまり出なくなり、やがて汗腺自体が衰退してきます。
余談ですが、このような人は汗の臭いが強くなり、とても不快になります。
実は汗をよくかく人よりも汗をあまりかかない人のほうが、老廃物などがあまり対外に排出されないため、汗自体の臭いは強くなるのです。
冷房病というのは、クーラーなどで長いあいだ身体が冷やされたことが原因となって皮下の毛細血管や汗腺に異常事態がつづき、ついには自律神経が障害され、身体にさまざまな症状を起こすことを指します。
冷房病というのは、冷え症のなかの一部分と考えられます。
冷房病はひどくなると、温度変化などの周囲の環境の急激な変化に身体がついていけなくなり、めまいやフラツキ、貧血、血圧の変動などの軽いショック症状を起こすことがあります。これはヒートショックのなかにあるコールドショックと呼ばれているものです。
だんだん重症になってくる冷房病分類
つぎに冷房病の分類をお話します。
第1期
冷房により身体が冷やしはじめられた状態。冷え症分類でいうと「末梢血管収縮タイプ」に相当します。冷房のなかに入ると手先や足先が中心となって冷えを感じている状態です。血液は身体を守ろうとして内臓や脳に集まってきます。
そのため、手先や足先の血流量が減少して冷えを感じてしまいます。
第2期
当初は手先や足先を中心としていた冷えが、冷気が下から侵入し、腹部を冷やしている状態。分類でいうと「内臓の冷えタイプ」に相当します。腹部が冷えだすと腰から下全体に冷えを感じるようになり、胃腸障害、婦人科疾患、泌尿器疾患などが症状として現れてきます。
これと同時に、肩こり、腰痛などが発生することもあります。
第3期
身体全体に冷えを感じます。特に上半身を中心として下肢や上肢にも冷えを感じ、ときには痛みを感じるといったことも起こります。
全身症状として、フラツキ、めまい、疲労感、血圧の変動、イライラなどの症状が現れます。冷え症の分類としては「次世代型の冷え症」に相当します。

自宅で簡単に出来る上手な冷房病撃退法はこちらでご紹介しています。
2学期に学校に行きたくない子供、原因は冷房にあった
冷房病の症状を訴える層は子供から高齢者までさまざまです。
特に2学期を迎える8月後半から9月にかけては子供の受診がとても多くなります。いわゆる「夏休み明け症候群」と呼ばれるものです。
冷房病の分類でいうと「第3期」に相当します。
8月最後の土曜日に、飲食店を経営しているお母様が半分呆れた顔で娘さんのDさん(10歳)を連れて来院されました。
このときのDさんの症状というと、とにかくやる気が出なくて夏休みの宿題もまだ残ったまま。本人も身体の調子がいつもと違うと感じ、下痢気味で身体がだるく足が冷たいとのことでした。
Dさんの話をよく聞いてみると、夏休みのあいだじゅうほとんど家のなかにいて、外出といえば、学習塾に行くときぐらい。外は暑いのでプールにもあまり行かず、ほとんど室内でテレビゲームをしてすごしていたとのこと。
そして、毎日、コーラとアイスクリームは欠かさず食べていたということでした。
クーラーの1日の使用量を聞いてみると、驚いたことに毎日なんと24時間つけっぱなしでした。自宅が飲食店の2階のため、熱が1階から2階に上がり、昼間はクーラーをつけずにはいられず、夜間も家のなかの熱が抜けず、クーラーなしでは寝ることができなかったからです。
そこで、さっそくDさんの身体の計測をしてみると、自律神経機能は強い緊張状態を示すと同時にバランスもバラバラで、皮膚表面のPHも相当にアルカリ化しています(皮膚表面がアルカリ化すると身体のなかは逆転し酸性化します)。
そして、左右の耳穴の温度も0.7℃の左右さがありました。(正常値は0.3℃以内)。
これも自律神経の乱れを表しています。
足先の温度を測定してみると、次世代型特有の34.5℃という高い温度を示していました。冷房病の分類でいう第3期まで症状が進んでしまったのです。
子供の場合は、このように第3期になることが比較的多く見られます。
これは、自分では何が起きているのかわからず、親が気がついたころにはもうこのように相当進行した状態になってしまっていたということだと思われます。
ドライヤーを使って自律神経のバランスを整える
子供の場合も大人と同様で汗をよく出させることです。
対策法のひとつとして、ヘアードライヤーを片手に持ち、子供を上半身裸の状態にしてうなじから背中の中央まで背骨を中心にドライヤーの温風をよく当てます。
ドライヤーを上下に動かしながらもう一方の手で背骨を中心として周囲の皮膚をよくこすってあげます。うなじから背中の中央まで真っ赤になるまで行なってください。
時間にすると3~4分間です。このことで、乱れている自律神経のバランスを整えることができるのです。これを1日1~2回、7日間つづけて行なってください。
Dさんの場合も同様のことをお母様にお願いし、シャワーのみだった入浴も湯船にお湯を入れ、よくつかるようにしました。コーラとアイスクリームも中止しました。
これらのことを実行した翌日から身体の変化が現れはじめ、冷え感も減少。1週間後には疲労感も取れ、お腹のぐあいもよくなって、宿題も無事終了したとのことでした。
このように子供の場合は、対策による体の変化がとても早く顕著に現れますので、早期の対策が必要になります。
神奈川県に在住のBさん(34歳・女性)の場合
男性ばかりの寒い職場でついに歩けなくなるほど




神奈川県に在住のBさん(34歳・女性)も同様です。
5年前のことですが、中途入社して初めての夏を迎えたころです。Bさんの勤めていた会社は男性ばかり10人いるオフィスですが、男性は営業職が多いため、社内の出入りが激しく、常にオフィスにいるのはBさんだけでした。
男性はどんなに外気が暑い真夏でも、長袖のワイシャツにパンツ、時には上着を着ています。社内は、そんな男性の体感温度はなんと20℃。男性は筋力もあり、熱産生が女性よりも大きい上に、室外への出入りも頻繁でした。この場合の男性の体感温度はかなり高いものだったのでしょう。
この状態が1ヶ月ほどつづいたころ、Bさんは身体の不調を訴えるようになりました。
まず、少しの冷房や風でも手足や足先がとても冷たく感じられるようになり、やがて、もともとあった生理痛がひどくなりました。
そして、ついに歩行さえままならない状態になってしまったのです。
重ねて、ひどい便秘に苦しんだそうです。
それまでは1日1回きちんとあった排便が3日も4日もないといった日がつづくようになり、同時に肩こり、腰痛、フラツキといった症状まで出現するようになってきました。
いままでこのような症状で悩んだことのないBさんは上司に相談しましたが、「社内の温度設定は変更してもまた誰かがすぐに元に戻すのだから、仕方がない。カーディガンなどを着て調節してほしい」といわれ、しかたなく我慢をしていました。
ところが、ある朝ベッドから起き上がれず、病院を受診すると「疲労ではないか」といわれたそうです。
さまざまな検査を受けましたが、異常は見つかりません。けれども、何日たっても症状に変化はなく、たまらなくつらくなって、ついには退社してしまったとのことでした。


 

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